そして世界は踊る2

日々の呟きやらなにやら。

それぞれの位相が違ったとして

昨日、ちらりと×のおすすめタブで見た

「映画国宝はアニメっぽい」

という意見が咀嚼できず、どうにも悶々としている。

あんなに肉体の生々しさを画面に映してるのに?

というか、生の人間というべきか…

 

でも、それは私の目に映ったものであって、

そもそもアニメとは、小説とは、映画とは、

演劇とは、歌舞伎とは、を定義しないと、

咀嚼どころか意味が取れないよな、と思ったり。

ので、消化不良なのでそこはおいておいて。

 

それ以外でここ数日、TLを賑わしている

予約していたウェディングドレスを

商業イベントの広告に貸し出され、

出演する元性産業従事者の俳優が着用していた、

と全世界に愚痴ってしまったツイについて。

 

これは職業差別だ、と批判があって、

それは確かにその通り、職に貴賤はないからね。

でもここには十重二十重にハードルがあってね…

 

そもそも日本の社会がこれまで、

不等に女性を貶め、性的に搾取してきた、

という背景がある。これは事実。

(ここから受け入れない層は回れ右)

その中で、ウェディングドレスが

性的なアイテムとして消費されてきたのも事実。

 

また「結婚式」の宗教的な位置づけとして、

C教(チ。の用法)の神聖なイベントと

定義されているのは一般的だと思う、正しい。

花嫁は純潔を義務づけられている面がある。

これはこれでC教による女性の抑圧だとは思うけど。

 

一方、現代社会のブライダル業界は

なによりイメージが最優先で、

形のないものにも値段が付いている。

そこは顧客の要望を形にするところだからね。

だから、純潔をイメージしてオーダーした顧客に、

肝心の商品に「性的に消費された」印象をつけて

渡そうとした、というあたり、

完全にマーケティングの失敗なわけさ。

商売として有り得ない、になる。

顧客としては文句も言いたくなると思うけど、

まあ実は職業差別だ。それはそう。

でも商売としてアウトだよなー、という感触です。

 

そこで、日本の性産業に慣れた層からは

職業差別だ、という声が出るだろうし、

それを嫌だと、心底苦々しく思ってた層からは

そもそもウェディングドレスを

性のアイコンにしてんじゃねえよ、

性的に消費されたものを我慢できるか!

みたいなお気持ちになってしまう、という。

それはこの国が男社会だったせいだよね。

 

私自身は、ドレスは意匠として興味はあるけど、

結婚のアイテムとしては興味がない、

というか結婚自体に興味がないので、

大変だなー、お金掛かるねーな感じですが。

でも、常識も良識もある友人が、

自分の結婚式を非常に念入りにプランニングして、

非常にお金を掛けてイメージどおりに仕上げて、

その上で、

 

「自分の式が終わっちゃったら、

友だちの結婚式に呼ばれても興味が薄れちゃって」

 

と言ったときにはドン引きでしたが。

それだけ大事にしてたイベントだったんだろうし、

正直な感想だが、それは言っちゃダメなヤツ…

若気の至りだと思うけど…まあそういうもんだよね。

それを今だったらSNSに書き込んだら、

四方八方から非難囂々だったろうなー、

というのと同レベルではないか、と結論が出ました。

 

結婚は神聖なイベントと思う層と、

法律上の契約と思う層では見える世界は違うんだ。

ただ、夢を売ってるんだったら、

最後までそこを大事にしないとダメだよって。

あと他人の職を貶してはいけないのと同じで、

他人の夢を嗤っちゃいけねえ。

 

まあ私自身は本当に興味がなかったな…

と思いつつ、母上のウェディングドレスは

オーダーメイドだったらしいですよ。

叔父がデザインして作ったらしい、すげえ。