すっかり後手になっていたのですが、
これは夏大が本格化する前に見ておかなければ、
ってことで、映画『怪物』を慌てて。
ちょっと間があいてしまいましたが、
少しだけでも書いておこうかと、自分のためにと。
そこそこネタバレなので折りたたみますが、
ついったから見ると見えちゃうんで(笑)
見たくない人、今すぐ閉じて下さい!!
あまり事前に情報を入れないようにしてましたが、
受賞しちゃった(?)のでLGBTと関連がある、
というのと、是枝監督なので家族の話だ、
ってことは予想がついていたのですが。
あとはちらっと聞いたところで、
物語の視点というか、物語る登場人物によって
変遷する、いわゆる「藪の中」方式だということ。
母親、教師、少年と、物語る人物によって
『怪物』の本当の姿が現れる…
のが、いやまさにその通りでね!!
最初の母親視点のときは何だこの学校?!
と憤りをもって見てたのに、
教師視点になって、大人社会の理不尽さや
子ども達の得体の知れなさが怖ろしくなる。
でも、それを当事者の少年からみると、
あまりに切実な、本当に真摯な心と、
どうしようもない祈りで世界が満ちてる。
物語が切り替わるとき、諏訪湖が写るのは
あの湖の深さや伝説によるだろうけど、
底がうかがい知れないものでもあり、
美しく、神秘的でもあるからなのか。
静かで水とひかりと緑に満ちた風景が痛い。
ひとを好きになっただけじゃないか。
ただ、少年たちは一生懸命生きて、
誰かを大事に思っているだけなのに。
家族を裏切れない優しさと、
心を欺けない正直さのために嵐の中に出て行く。
限られた人間にしか手に入らないものは
幸せなんかじゃない。
誰にでも手に入るものを幸せというの。
とは登場人物の台詞ですが、そうだといい。
そうあって欲しいと、心から願ってやまない。
あれは…助かって欲しいなあ…。゜(゜´Д`゜)゜。
そのまま二人心中したような…明るさが痛くて…
でも、彼らにはどうしても助かって欲しい。
神様には、そんな残酷であって欲しくないんだよ、
たのむよ…!!